Sankei Web
産経朝刊 主張(10/29 05:00)
韓国の潘基文外交通商相は町村信孝外相との会談で、小泉純一郎首相の靖国参拝を重ねて批判したうえ、靖国神社とは別の追悼施設建設の関連予算を計上することまで要求した。
予算は、国の主権にかかわる最も大事な内政事項の一つである。それまでくちばしをはさもうとする韓国の態度は、もはや内政干渉の域を越え、国政への不当介入といえる。逆に、日本が韓国の国家予算に容喙(ようかい)したら、どうなるか。少しは、外交の常識をわきまえてもらいたいものだ。
町村外相は「国内や与党でも意見が分かれている。そうした状況を踏まえて検討したい」と答えた。本来なら、「受け入れられない」と答えるべきところだが、韓国に配慮し、控えめな表現にとどめたとみられる。
一方、韓国の要求に合わせたかのように、新たな追悼施設建設を目指す超党派の議員連盟が発足した。二十日に訪韓した山崎拓・自民党元副総裁が鄭東泳統一相に、靖国神社に代わる追悼施設の建設を迫られ、「努力する」と答えたのが発端とされる。
二十八日の設立発起人会で、会長に山崎氏、副会長に鳩山由紀夫・民主党幹事長と冬柴鉄三・公明党幹事長が就任した。福田康夫・元官房長官、神崎武法・公明党代表らも出席した。韓国にせかされて議連をつくった印象が強く、主体性の欠如を疑われてもやむを得ないだろう。
靖国神社に代わる無宗教の国立追悼施設を建設しようという構想は、小泉首相が靖国参拝の慣例を復活させた四年前に浮上した。当時の福田官房長官の私的懇談会で検討され、新施設が必要だとする結論が出された。だが、自民党国会議員の半数以上が反対署名を行い、事実上、建設は断念された。
懇談会の多数意見が、中国や韓国など近隣諸国への配慮を過度に意識し、戦没者慰霊の中心施設を靖国神社としてきた遺族や国民の気持ちをあまり重視していなかったからだ。
新施設建設を目指すグループには、まず、来年度予算で調査費を計上しようとする動きがある。だが、調査費であっても、税金の無駄遣いであることに変わりはない。まして、韓国に言われて予算を計上するようなことは、主権国家として絶対に許されない。
産経朝刊 産経抄(10/29 05:00)
売られた喧嘩(けんか)を買った場合は、是が非でも勝たねばならない。この場合は、どちらかが傷つくから後々厄介だ。そこで江戸初期の豪商は、互いのダメージを避けるために柳に風と受け流す。あるいは、黙って席を立つ方法を家訓としたそうだ(島井宗室遺書)。
▼どうやら町村信孝外相は、韓国の潘基文外交通商相が靖国神社とは別の追悼施設をつくるよう求めても、この「柳に風」を選んだ。外相は「国内や与党でも意見が分かれている。そうした状況を踏まえて検討したい」と答えたそうだ。
▼平たく言うと、「善処する」ということになろうか。うまく処理しましょうという意味だから、ほどほどの答えか。ただ見逃せないのは、潘外相が追悼施設の関連予算の計上を具体的に求めたことだ。この人は、外相として越えてはならない一線を越えている。
▼国家機構は、天から降ってくるものでも、役人によってでも、議員によって議会でつくられるものでもない。潘さん、お国もそうだと思うが、国民の労働の一部を徴収する税金でできている。「予算は国家なり」だから、そこまで踏み込まないのが紳士の慎みというものだ。
▼以前、お国のテレビ局が、扶桑社の歴史教科書を採用した愛媛県の公立中学校の生徒数人に、「竹島問題をどう考えている」「歴史をどう習っているのか」などと質問していた。「報道の自由」が保障されている日本だから可能だが、自由にはやはり慎みがなければいけない。
▼町村外相は首相の靖国参拝を不戦の誓いといった。国難に殉じた人々に感謝を捧(ささ)げるのは自然の営みだ。正義は互いにあるのに、お国の正義の押し付けは御免こうむる。まさか、中韓に呼応する国内の勢力と通じていないとは思うが。
産経朝刊
靖国参拝、姿勢変えず 小泉首相、韓国外相と会談(10/29 05:00)
小泉純一郎首相は二十八日午後、首相官邸で来日中の韓国の潘基文外交通商相と会談した。潘外相は靖国神社参拝を中止するよう改めて要請したが、首相は「(参拝は)不戦の誓いのためだ」との考えを重ねて表明した。潘外相は二十七日の来日以来、靖国神社とは別の追悼施設の関連予算の計上を求めており、政府内では内政干渉のような要求だとして不快感も広がっている。
「重い気持ちで訪問し、個人的には遺憾に思っている」。表敬訪問の形をとった二十八日の会談で、潘外相は握手もそこそこに小泉首相に対する不満をぶつけた。
会談で小泉首相は十一月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)での日韓首脳会談の開催や十二月の盧武鉉大統領の来日実現を求めたが、潘外相は「大統領に報告する」と答えただけ。こうした韓国側の対応に、官邸サイドには「そんなに(大統領が)来たくなければ来なくてもいい」との声も出ている。
一方、潘外相は小泉首相が今年六月の日韓首脳会談で国民世論を考慮しながら検討するとした新たな追悼施設に関する検討状況を尋ねたが、首相は「この問題は国内にいろんな意見がある。世論を見極めながら検討したい」と述べるにとどまった。
会談後、首相は記者団に「戦没者に対する哀悼の意を込めて参拝しているので、それは理解してもらわなきゃいけないという話だった」と述べ、靖国参拝に関する姿勢を、変えない構えを見せた。
Sankei Web 政治 靖国参拝望ましくない 会談で韓国外相(10/28 19:59)
小泉純一郎首相は28日午後、韓国の潘基文(バン・キムン)外交通商相と官邸で会談した。潘氏は、首相の17日の靖国神社参拝について「韓日関係はもちろん、東アジアの秩序や未来にとって望ましくなく、遺憾だ」と批判した。
首相は「(靖国参拝は)不戦の誓いのためだ」と説明。その上で「1つの問題について意見や立場の相違があっても、対話を進めて日韓の友好関係を発展させることが大事だ」と強調した。首相が参拝後、韓国閣僚と会談するのは初めて。
首相は、11月中旬に韓国・釜山で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際の日韓首脳会談と、12月の盧武鉉大統領来日を要請。潘氏は「大統領に報告する」と答える一方で「APECについては議長国としての立場を踏まえて検討したい」と述べ、釜山での会談実現に含みを残した。
潘氏が日本の新たな国立戦没者追悼施設について検討状況を尋ねたのに対し、首相は「国民世論をよく見極めながら検討したい」と慎重姿勢を示した。
潘氏は、ハンセン病療養所入所者に対する補償請求訴訟の東京地裁判決で、台湾の原告が勝訴し、韓国の原告が敗訴したことに言及。首相は「同情すべきことが多いと思う。お互いが良いと思える解決策が見いだせることを期待している」と述べた。(共同)
(10/28 19:59)
Yahoo!ニュース - 産経新聞
日韓外相会談 大統領来日「厳しい」 韓国、追悼施設予算を要求
町村信孝外相は二十七日夕、来日した韓国の潘基文外交通商相と都内の外務省飯倉公館で会談した。町村外相は小泉純一郎首相の靖国神社参拝について不戦の誓いのためだなどと改めて説明したが、潘外相は「韓国国民は失望している」と批判、十二月に予定されている盧武鉉大統領の来日について「現状では厳しい雰囲気だ」と述べた。
潘外相は会談で、靖国神社とは別の追悼施設の関連予算を計上するよう要求。町村外相は「国内や与党でも意見が分かれている。そうした状況を踏まえて検討したい」と答えた。また、町村外相が十一月に韓国・釜山で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に日韓首脳会談を開くよう提案したのに対し、潘外相は「盧大統領に報告する」と述べるにとどまった。
両外相は十一月上旬に開かれる六カ国協議について、日米韓三カ国の緊密な連携が必要との認識で一致。町村外相は十一月三日に再開される日朝政府間対話に関連し、「(日本人拉致事件に)前進がないと六カ国協議の枠組みを利用した経済支援やエネルギー支援に前向きに取り組む気にならない」と述べた。
一方、小泉首相は二十七日夜、首相官邸で記者団に対し、潘外相の批判について「お互いの国の伝統とか歴史がある。私の靖国参拝について理解を得るよう努力したい」との考えを示した。
(産経新聞) - 10月28日3時7分更新
Yahoo!ニュース - 毎日新聞
日韓外相会談 「追悼施設予算計上を」 韓国外相要請
町村信孝外相は27日夕、来日した韓国の潘基文(バンギムン)外交通商相と東京・麻布台の外務省飯倉公館で会談した。潘氏は17日の小泉純一郎首相の靖国神社参拝に抗議し、新たな国立戦没者追悼施設の建設に向けた予算計上を強く要請。これに対し、町村外相は検討を表明するにとどめた。また、潘氏は12月に予定されている盧武鉉(ノムヒョン)大統領の訪日について「現状では厳しい雰囲気だ」との認識を伝えた。
韓国政府はこれまで追悼施設の建設を求めてきたが、予算計上に踏み込んだのは初めて。首相の靖国参拝を受けて要求をより強めた形だ。潘氏は28日午後に小泉純一郎首相を表敬訪問し、29日昼に帰国する。
会談で、潘氏は「韓国国民は失望している。国民の気持ちを踏みにじるものだ」と首相の靖国参拝を批判。町村外相は「不戦の誓い」のための参拝だなどと説明、理解を求めた。潘氏は「追悼施設建設のための予算を計上してほしい」と06年度予算への調査費計上を求めたが、町村外相は「国民世論を考慮しながら検討する。強い要望があったことは首相に伝える」と述べるにとどまった。
町村外相は11月中旬に韓国・釜山で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際の日韓首脳会談、外相会談を提案。潘氏は外相会談の開催には応じたが、首脳会談は「大統領に報告する」とだけ述べた。
第2次歴史共同研究では小此木政夫慶応大学教授を委員長に内定、年内の初会合開催を目指して作業を加速させることを確認。11月3日開催が決まった日朝政府間対話について潘氏が歓迎の意を表明し、同月上旬に予定される第5回6カ国協議には日韓米が連携して対応することを確認した。【佐藤千矢子】
◇追悼施設 互いの溝埋まらず
27日の日韓外相会談で、韓国の潘基文(バンギムン)外交通商相が小泉純一郎首相の靖国神社参拝を受け、新たな国立戦没者追悼施設建設の予算計上を求めたことで、年末の06年度予算編成に向けて追悼施設の調査費計上が政治問題化するのは避けられない見通しとなった。だが、首相官邸は建設に消極的。追悼施設の性格をめぐる日韓間の溝も埋まっておらず、日韓関係修復への道筋は見えない。
韓国側が追悼施設にこだわるのは「靖国神社の代替施設と位置づけている」(外務省筋)からだ。調査費計上は公明党が強く求めているほか、民主党の前原誠司代表や自民党の山崎拓前副総裁らが建設促進に向けた超党派議連を発足させる動きを見せるなど、日本国内の政治状況も後押しした格好となった。
しかし、官邸には「建設に前向きな姿勢を示せば、靖国参拝を否定しているとの誤解を与えかねない」との懸念がある。首相は「靖国神社と国立追悼施設は切り離して考える」との立場を堅持しており、仮に建設に踏み切ったとしても日本側から見れば「靖国問題の解決」とはならない。
日本側は韓国側が慎重姿勢を示す12月の盧武鉉(ノムヒョン)大統領の訪日などを実現させ、関係改善を図りたい考えだが「追悼施設は関係改善のカードにはなりえない」のが現状。加えて、潘氏が予算計上要求にまで踏み込んだことで、日本側で「内政干渉」との反発が起きる可能性もある。
一方、潘氏が大統領訪日について「現状では難しい雰囲気だ」との見解を示したのは、首脳会談を外交カード化させて、靖国問題の解決を促す狙いがあるとみられる。
一時はキャンセルに傾いた外相会談が実現した背景には、「靖国参拝への国民の怒りを直接伝えるべきだ」との盧大統領の強い意向があった。会談の冒頭、潘氏が「訪日は暗い雰囲気の中で実現した」とクギを刺したのも、「靖国が歴史問題の核心」と位置づける盧政権の確固たる立場を伝えようとしたものだ。
実際、青瓦台(大統領官邸)内には「小泉首相任期中は靖国問題で新たな措置がない限り、首脳会談に応じるべきではない」との強硬論が強い。
潘氏には6カ国協議首席代表を務める宋旻淳(ソンミンスン)外交通商次官補も同行、対北朝鮮政策の日韓協調は推進する姿勢を言外にアピール。日韓関係の決定的な悪化までは望まない韓国の対日外交は、実務レベルの連携と首脳レベルの緊張の間の微妙なバランスの上に立っている。【高山祐、ソウル堀山明子】
(毎日新聞) - 10月28日10時10分更新
goo ニュース - (共同通信)
靖国参拝議員はお断り 親善サッカーで韓国
2005年10月30日 (日) 15:09
【ソウル30日共同】日韓の国会議員による親善サッカー試合をめぐり、韓国側が靖国神社に参拝した議員の参加辞退を申し入れていたことが30日、分かった。
韓国の国会議員サッカー連盟の会長を務める与党、ウリ党の張永達議員によると、5月から延期されている試合を来月中旬ごろに行おうとの提案が日本側からあった。張議員が「韓国内の国民感情もあり、靖国神社に参拝した議員は参加を遠慮してもらいたい」と条件を付けたところ、日本側は「参加議員が少なくなるがよいか」と回答したという。
張議員は「友好促進のため交流は続けるが、参拝した議員と、しなかった議員は選別して対応するというのが基本姿勢」とし「早く過去の問題を解決し、欧州の英仏のような関係にならなければいけない」と強調した。