goo ニュース - (朝日新聞)
拉致問題置き去りを危惧 6者共同声明で被害家族ら
2005年 9月20日 (火) 00:59
6者協議で採択された共同声明について、拉致被害者の家族らは19日、「拉致問題の置き去り、切り捨てにならないか」と警戒感を表した。
家族会代表の横田滋さん(72)は講演のため訪れた静岡市で、「前回までと比べると、決裂もなく、接触の時間も増えているのは好ましいが、目に見える成果がほしい」とコメントした。
一方で、家族会の増元照明事務局長(49)は「『日朝平壌宣言に従って』という表現は国交正常化が前提。拉致問題が後退したり、拉致被害者が見捨てられたりすることにならないか、強い危惧(きぐ)を抱いている」と強調した。
田口八重子さんの兄飯塚繁雄さん(67)も「声明の中に『拉致』の言葉がほとんど出てこなかった。後回しということなのだろうか」と不信感を口にした。
一方、拉致被害者の地村保志さん(50)は「拉致問題の早期解決を果たす上で進展があった。今後は、日朝両国が政府間交渉を早期に再開し、拉致問題の解決に向け真摯(しんし)に取り組んでくれることを願います」とのコメントを発表した。
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北朝鮮との交渉に弾み 6者協議共同声明で日本
2005年 9月19日 (月) 23:36
6者協議の共同声明に「懸案事項」の解決を含めた日朝国交正常化が盛り込まれたことで、日本政府は拉致問題解決のための政府間交渉に弾みを得た、と受け止めている。ただ、北朝鮮が拉致問題で前向きな対応をするかどうかははっきりしない。仮に拉致問題で進展がないまま、日本以外の各国が北朝鮮へのエネルギー支援などに取り組むようだと、日本政府は対応に苦慮しそうだ。
「6者協議の中でも、我々の懸案を解決できる大きな枠組みがある」。日本代表の佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長は協議終了後の会見で、日朝の国交正常化が共同声明に盛り込まれた意義を説いた。明記こそされていないが、「懸案」には日本人拉致問題も含まれているというのが日本側の立場だ。
休会前の協議では拉致問題を取り上げる日本に米国以外は冷淡で、日朝協議も休会が決まった8月7日に20分ほど開かれただけだった。だが、再開後は北朝鮮の態度が変わり、佐々江局長と北朝鮮代表の金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官は9月14日に1時間以上協議したほか、18日までに立ち話も含めれば5日連続で話し合った。
日本代表団筋は「これまで北朝鮮は『日本は核問題の交渉相手ではない』との姿勢だったが、今回は様子が違った」と言う。背景には軽水炉提供など核の平和利用をめぐる米朝対立のなかで、北朝鮮が米国の意向を日本を通じて探る狙いがあったとの見方もある。
例えば協議5日目の17日夕、釣魚台国賓館の議場で佐々江氏は金次官に「軽水炉の問題をうんぬんするタイミングについては、日本も米国も原則的に強い立場がある」と語りかけた。日本側にも米国の真意を伝えることで、米朝間の「橋渡し」に一定の役割を果たそうという狙いがあった。
ただ、拉致問題の解決までには課題が多い。
金次官は14日、拉致問題について「本国においてしかるべき検討をしている」と答えたが、具体的な検討結果は最後まで明らかにしなかった。
北朝鮮側は柔軟な姿勢を見せる一方、02年9月の日朝平壌宣言から3周年を迎えた17日には北朝鮮の平壌放送が、日本を「すべて解決した拉致問題を持ち出し、敵視する動きに狂奔している」などと非難した。
日本政府は北朝鮮との政府間交渉を進めたい考えだが、北朝鮮の対日担当者を入れた今後の交渉が、どういう形になるのかもはっきりしない。
昨年8〜11月に3回開かれた日朝実務者協議は拉致問題に的を絞ったが、北朝鮮が横田めぐみさんのものとして提出した遺骨が偽物という鑑定結果が出たことから、協議は中断している。
日本側には「国交正常化交渉の準備協議のような形をとるしかない」(政府関係者)との指摘もある。だが、拉致解決への道筋がはっきりしない中で正常化に道を開けば、拉致被害者の家族をはじめ、世論の反発は必至だ。外務省首脳も「今の時点では、ハードルが高い」と語っている。
共同声明では、6カ国がエネルギーや貿易・投資の分野で経済面の協力を進めるということも記された。拉致問題で進展がないまま日本以外の各国が北朝鮮へのエネルギー支援などに入るなら、日本政府は協議参加国の連携と国内世論との板挟みになりかねない。
goo ニュース - (読売新聞)
日本政府、6か国協議「共同声明」を歓迎
2005年 9月19日 (月) 21:28
政府は19日、北朝鮮の核兵器・核計画の放棄を明記した6か国協議の共同声明について、「朝鮮半島の非核化を実現する上での重要な基礎になる」(町村外相)と歓迎している。
今後は、米韓両国などと連携し、11月にも開かれる第5回6か国協議で北朝鮮の核放棄や核拡散防止条約(NPT)復帰の具体化を目指す方針だ。
細田官房長官は同日夕、「今回の合意は一応の前進と評価できる。北朝鮮が国際ルールに従う取り組みを見せたことは良いが、(ルールを破った)イラク、イランなどの例があり、注意深く見ていく。核廃棄などを検証できるかが大きなカギとなる」と述べ、核放棄の検証を重視する考えを強調した。
また、細田長官は、「拉致問題などの懸案が残されたままで、今後の協議を見ていかなければならない」と述べ、日本人拉致問題の進展を図るため、日朝協議の早期再開を北朝鮮に働きかける考えを示した。
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北朝鮮、核放棄表明 6者協議声明
2005年 9月20日 (火) 01:10
北朝鮮の核問題をめぐる第4回6者協議は19日、初の共同声明を採択した。北朝鮮は、すべての核兵器と今ある核計画を放棄し、核不拡散条約(NPT)への復帰と、国際原子力機関(IAEA)の査察を受け入れることを約束した。北朝鮮が求めている軽水炉型原発の提供については、「適当な時期に議論する」ことで合意した。北朝鮮が多国間の枠組みの中で核放棄を約束したのは初めて。ただ、その時期や検証方法など具体的な道筋は決まっておらず、11月に次回協議を開いて話し合うことになった。
北朝鮮のウラン濃縮による核開発の発覚を受けて03年8月に始まった6者協議で、この共同声明が初の合意文書となった。議長を務める中国代表の武大偉(ウー・ターウェイ)外務次官は、北京の釣魚台国賓館で閉会後、声明採択を「最も重要な成果だ」と強調した。
声明の中で6者は、協議の目標を「朝鮮半島の検証可能な非核化」と再確認。北朝鮮の核放棄と同時に、米国が朝鮮半島内で核兵器を持たないことや、北朝鮮に対し攻撃や侵略をする意図はないことなども確認した。
北朝鮮による核の平和利用の権利については、北朝鮮が協議の中で自国に権利があると発言したことを記し、各国は「この発言を尊重する」との表現で盛り込んだ。
また、過去3回の協議で焦点となってきた北朝鮮によるウラン濃縮計画については直接言及しなかった。かわりに、韓国と北朝鮮の双方がウラン濃縮施設を持たないとした92年の朝鮮半島非核化共同宣言について「順守されるべきだ」と言及した。
最大の焦点となった軽水炉提供について、日米は、北朝鮮のすべての核放棄が前提になると主張してきた。だが共同声明ではこの問題で「適当な時期に議論を行う」としただけで、結局、道筋は盛り込んでいない。
これに関連して日本代表の佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長は、19日の全体会合で「北朝鮮がすべての核兵器と核計画を放棄し、原子力利用に関するすべての国際的合意と規範を完全に順守すること」が、軽水炉提供の議論の前提となるとの考えを表明した。日本代表団筋によると、米国と韓国からも同様の考えが示されたという。
一方、次回の第5回6者協議は11月上旬に開くことで各国が合意した。米国代表のヒル国務次官補は協議後、北京のホテルで記者団に「11月の協議のカギは(北朝鮮の核施設への)査察になる」との見通しを示した。
今回の協議は7月26日に始まり、8月7日にいったん休会。9月13日に再開され、期間は計20日間に及んだ。
〈共同声明骨子〉
●6者協議の目標は、朝鮮半島の検証可能な非核化
●北朝鮮はすべての核兵器および既存の核計画を放棄する。核不拡散条約(NPT)、国際原子力機関(IAEA)の保障措置に早期に復帰することを約束
●北朝鮮は原子力の平和利用の権利を持つ旨を発言。他国はその発言を尊重する旨を述べ、適当な時期に軽水炉提供問題について議論することで合意
●米国は朝鮮半島で核兵器を持たず、北朝鮮を核兵器や通常兵器で攻撃、侵略する意図はないことを確認
●米朝は、相互の主権を尊重し、平和に共存し、関係正常化のための措置をとる
●日朝は、平壌宣言に従って過去を清算し懸案事項を解決し、国交正常化のための措置をとる
Yahoo!ニュース - 読売新聞
政府、日朝協議再開目指す…「拉致」進展は予断許さず
【北京=池辺英俊】日本政府は、第4回6か国協議の共同声明で、日朝平壌宣言に基づき日朝国交正常化を目指す方針が再確認されたことを踏まえ、北朝鮮との政府間協議を早期に再開したい考えだ。
ただ、協議再開の具体的なメドは立っておらず、焦点の日本人拉致問題を進展させられるかどうかは予断を許さない。
町村外相は19日夜、「従来は2国間の約束だったが、6か国協議という多国間の場で確認できたことは意味がある」と評価した。日本首席代表の佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長も記者会見で、「(拉致問題を含む)懸案解決が重要だという6か国の合意ができた」と強調した。
昨年末以降、断絶状態が続いていた北朝鮮との会談が今回の協議期間中、頻繁に行われた。短時間の接触を含めると14日から5日連続で、日朝の首席代表が会談した。日本代表団筋は、「2国間の距離感はかなり縮まった。過去の6か国協議で、これほど日朝が熱心に協議したことはなかった」と指摘する。
北朝鮮が今回、日朝協議に前向きだったのは、核問題をめぐって米朝が対立する中、米国と最も緊密な日本から米側の情報を得るとともに、米国との仲介役を期待したとの見方が有力だ。また、核放棄の見返りとして、将来の軽水炉の獲得を実現するには、支援国候補の日本とある程度の関係を構築する必要があったと見られる。
しかし、北朝鮮は今回、拉致問題について「日本の立場はよく理解している。対話再開へ向けた努力をさらに行いたい」と述べるにとどまった。日本側が提起していた拉致問題の真相究明などの要求にも、具体的な回答を示さなかった。
このため、日本に対する北朝鮮の態度軟化は、「6か国協議を乗り切るための一時的な『手段』にすぎないのではないか」(自民党幹部)との見方もある。
(読売新聞) - 9月20日0時31分更新
Yahoo!ニュース - 毎日新聞
<6カ国協議>次回は「核放棄の手順」が焦点 ヒル氏表明
米首席代表のヒル国務次官補は19日、11月上旬に予定される第5回協議について「検証が非常に重要だ。今回の合意のカギとなる」と述べ、北朝鮮が共同声明で約束した「すべての核兵器と現存する核計画の廃棄」を具体的にどのように査察し、検証していくかという「核放棄の手順」が焦点になるとの見解を表明した。
(毎日新聞) - 9月20日0時50分更新
Yahoo!ニュース - 毎日新聞
<6カ国協議>中国が成果を誇示
6カ国協議の議長国・中国は19日、初の共同声明採択という「実質的な成果」を上げ、拉致問題を抱える日本や、台湾問題が横たわる米国にも、中国の役割の大きさを見せつけることに成功した。中国首席代表の武大偉外務次官は閉会式後の会見で、「紅楼夢」を元にした越劇の歌詞の一節を引き合いに出し、成果を誇示した。
(毎日新聞) - 9月19日21時9分更新
Yahoo!ニュース - 毎日新聞
<6カ国協議>韓国、自主外交の成果と自画自賛
第4回6カ国協議の共同声明について、韓国の鄭東泳統一相は19日、「平和か危機かの分岐点で、民族の運命を初めて自ら決断し、妥結に導いた」と述べ、韓国の自主外交の成果と自画自賛した。民族協調と米韓連携とのバランスを保ち、決裂直前の局面で米朝双方を説得、独自の役割を果たしたと自信を深めている。
(毎日新聞) - 9月19日21時30分更新