保険料1兆円が徴収不能 04年度の国民年金
2005年 8月21日 (日) 02:00
自営業者やパート労働者らが加入する国民年金で、滞納した保険料をさかのぼって納付できる2年を過ぎたことにより、国が徴収できなくなった「時効」分の保険料が、2004年度は前年度から約1300億円増えて過去最悪の9802億円だったことが20日、社会保険庁の調べで分かった。
国民年金の04年度の保険料収入約1兆9354億円と比べると、半分以上に当たる額が徴収不能になった計算で、空洞化が指摘される国民年金の深刻さがあらためて浮き彫りになった。
公的年金に「基礎年金」の制度が導入されて現在の形となった1986年度から04年度までの19年間で、徴収不能となった額の累計は9兆9584億円に上った。
goo ニュース - (産経新聞)
国民年金 16年度赤字額、3倍の1707億円 未納、依然3人に1人
2005年 8月 4日 (木) 03:43
社会保険庁は三日、自営業者やパート労働者が加入する国民年金の平成十六年度収支決算が三年連続で赤字になったと発表した。赤字額は千七百七億円で前年度の五百億円から三倍以上に拡大した。一方、サラリーマンが加入する厚生年金は二千三百五十九億円の黒字に転換したが、実質的には赤字幅が膨らんだ。
国民年金は、保険料を負担する被保険者の減少などによって保険料収入が前年度に比べて二百七十二億円減るなど、収入が千九百六十八億円減の五兆五千七百九億円。支出は昭和六十一年以前の旧国民年金法による受給者が減るなどして五兆七千四百十六億円となったが、減少額は七百六十一億円にとどまった。
同年金は、保険料を負担する被保険者は前年度比で十一万人減る一方で、各年金で分担する基礎年金への支出は同五百八十四億円増えるなど、高齢化のなかで、構造的に赤字体質にならざるをえない側面はある。
このため、政府は国民年金の保険料を今年度から毎年、月額二百八十円ずつ引き上げるほか、国庫負担率を現行の三分の一から二分の一まで引き上げることで「平成二十二年までに収支を均衡させる」(厚生労働省)としている。
ただ、看過できないのは、国民年金保険料の未納率が十六年度末で実に36・4%にも上ることだ。国民や被保険者に痛みを強いる以上、未納率の解消は大前提になる。
一方、黒字転換した厚生年金だが、厚生年金基金の代行運用を返上する企業が相次いだことで生じた「臨時収入」五兆三千八百五十四億円がなければ、赤字額は前年度(三千三百七十九億円)を大きく上回っていた。
goo ニュース - (朝日新聞)
医療費最多の31兆4千億円、高齢者4割超す 昨年度
2005年 8月15日 (月) 22:58
厚生労働省がまとめた04年度の概算医療費が、前年度比6200億円増(2.0%増)の31兆4000億円になり、過去最高を更新したことがわかった。そのうち、70歳以上の高齢者の医療費は同4700億円増(3.8%増)の12兆8000億円で全体の40.6%に達し、初めて4割を突破した。
医療費は、高齢化や医療技術の進展などで年3〜4%は自然増となる。04年度は2%増だったが、厚労省は「薬価引き下げ分などを勘案すれば、実質3%台の伸びで、基調は従来と変わらない」としている。
高齢者の医療費は00年度は全体の37.7%、03年度には39.9%と年々微増している。
1人あたりの医療費は同2.0%増の24万6000円。高齢者だけで見ると、同0.3%増の73万9000円となっている。
高齢者をのぞいた一般の人を医療保険別にみると、会社員らが加入する政府管掌健康保険や健康保険組合などの被用者保険は、自己負担割合の引き上げによる2年連続の減少傾向から一転し、前年度比1.6%増の12万9000円、自営業者や無職者が加入する国民健康保険は同0.7%増の21万4000円といずれも増加した。
医療機関別にかかった医療費では、大学病院などの「病院」が前年度比0.7%増の17兆1000億円、「診療所」は同2.5%増の7兆6000億円。「保険薬局」は同7.8%増の4兆2000億円。保険薬局は、ここ数年9〜16%台の大幅な伸びが続いており、厚労省は「医薬分業が進んでいる」としている。