2005年04月27日

・尼崎列車事故


ZAKZAK
過去最高益の目算一転…100億円規模損失は必至
スピードアップで乗客増加も

 脱線事故で多数の死傷者を出したJR西日本は27日、平成16年度の決算発表を迎えた。新幹線ダイヤの改正効果などで、純利益が過去最高の572億円に達する“ウハウハ決算”のはずだったが、事故で一転、17年度は収益悪化が必至だ。

 16年度は台風や新潟中越地震の影響があったものの、一昨年の新幹線ダイヤ改正効果が続き、京阪神で新型車両の新快速、快速を充実させ、スピードアップを図り、通勤客らを囲い込んだ。この結果、売上高は前年より増えて1兆2200億円に迫り、当期純利益は過去最高の見通し。

 関西ではバブル崩壊後、鉄道利用者が減り続け、16年4−9月期も、近鉄、阪急、阪神など大手私鉄5社が輸送人員を前年同期比で1.5−2.4%も減らした。

 JR西日本だけは京阪神地区の輸送人キロを前年同期比0.6%増やし、独り勝ち状態だった。17年度は垣内剛社長(61)が関西経済同友会の代表幹事に就き、さらに輝ける年となるはずだった。

 だが、今回の事故で、そのもくろみは完全に外れた。垣内氏ら首脳は辞任必至なうえ、復旧のめどがたたない福知山線宝塚−尼崎間では、1日当たり3000万円近い減収が続く。犠牲者や負傷者の補償、電車が突っ込んだマンション住民への補償も予想され、100億円規模の特別損失が生じるのは必至。

 加えて、同社が懸念するのは、利用者のJR離れ。エコノミストは「JRはスピードアップを図り、私鉄から客を獲得してきた。しかし、安全面を考えると、それだけでいいのかという利用者も出てくる。今回の事故はスピードアップが裏目に出た形で、JRも方針を見直さざるを得ないのではないか」と分析する。


ZAKZAK
JR西「営業優先」の死角、1秒単位で遅延チェック
事故やミスで「恐怖の日勤教育」

 遅延を取り戻すため、猛スピードを出したことが大事故につながったとみられるJR福知山線の脱線事故。その背景には、JR西日本の安全を軽視した営業優先の経営体質が潜んでいた。運転士は、運行上のミスが許されない無言のプレッシャーをかけられ、死と隣り合わせの危険域での運転が日常化していたというのだ。

 あるJR西日本の関係者は、運行現場の現状を赤裸々に語る。

 「うちには日勤教育と呼ばれる社員向けの研修があるが、これは安全運行を徹底するための教育ではなく、減点式の自己反省会のようなものです」

 事故やミスを起こすと、反省リポートを提出させ、就業規則の書き写しなどが待っている。まさに、精神論で安全運転を強いるようなものだ。日勤教育をたびたび受けると、乗務員手当てもカットされ、給与にも跳ね返る。「今度やったら運転士を辞める、と決意書を書かされた人もいて、みんなは日勤教育を受けることに恐れを抱いていました」と振り返る。

 悲惨な脱線事故を引き起こした高見隆二郎運転士(23)も昨年6月、オーバーランをしたことで処分を受け、日勤教育を受けていた。

 高見運転士が今回、40メートルのオーバーランを8メートルと過小虚偽申告したのも、日勤教育での処罰を恐れたものとみられる。少しでもミスを小さくしようと、事故現場のカーブまでの直線部分を利用して、遅延を取り戻そうとしたのは明らか。運転士たちは、カーブに到る比較的長いこの直線部分を「時間稼ぎの場」と呼び、遅れを取り戻す絶好のポイントととらえていたからだ。

 実際、運転士にミスを許さないJR西日本の管理は徹底していた。

 事故発生前の2週間、同社はJR尼崎駅発着の全列車について1秒単位で遅延状況をチェックし、今月には「列車の遅れはお客の信頼を裏切る」と書いた内部文書を全社員に配布したほど。関係者は「こうした厳格なチェック体制が、若手運転士などにとっては無言のプレッシャーになっていた」と打ち明ける。

 JR西日本では「安全運行を軽視し、効率重視の経営を推し進めた結果、この大悲劇が起きた」(前出関係者)とみる社員は多く、改めて安全管理問題がクローズアップされそうだ。


asahi.com:
JR尼崎駅、1秒単位で遅れ報告 「負担過酷」指摘も

 JR西日本は、兵庫県尼崎市で起きたJR宝塚線の脱線事故前、1秒単位で電車の遅延状況をつかむ調査を行っていた。

 学校の始業式があった今月8日からの1週間、兵庫県尼崎市の尼崎駅では、朝夕のラッシュ時に発着する列車の運転士が出発時間を1秒単位で自主報告した。

 日常的に遅れが目立つ列車の改善のため、JR西日本が02年から主要駅で始めた取り組みだ。同社は対象列車を「要注意列車」と名付け、年5回程度実施している。

 同駅は宝塚線と東西線、神戸線の乗り継ぎ駅にあたり、1列車の遅れが京阪神全体で万単位の利用者に影響する遅れにつながることもある。三浦英夫・運輸部長は「定時運転に加え、ダイヤの改定に反映させるため。我が社独自の取り組みだ」と狙いを説明する。

 だが、同社のある労組幹部は「このような管理態勢が脱線事故を招いた背景にある」と指摘。「1秒単位で報告させるなんて、運転士に運転をあせらせる無用のプレッシャーをかけるだけだ」と批判する。

 ストレスと安全作業の関係に詳しい正田亘・立教大名誉教授(産業・組織心理学)は「事故との因果関係はわからない」としたうえで「相当過酷な負荷になり、組織としては労働者に圧力をかけすぎではないか」と疑問を投げかける。

 大阪市北区のJR梅田貨物線の踏切では今月5日、特急が通過する際に遮断機が下りないトラブルがあった。同社は当初、特急は先頭車両が踏切を行き過ぎたのは約10メートルだけだったと発表したが、その後の調べで行き過ぎた距離は約50メートルだったことが判明した。

 今回の脱線事故でも、事故直前の伊丹駅でオーバーランした距離について、快速電車の運転士と車掌が実際より短かったかのように口裏合わせをした疑いが浮上した。

 「再教育やボーナスカットなどのペナルティーを恐れて、少しでもミスを小さくしようとする意識が乗務員には働きがちだ」と、あるJR関係者はいう。


posted by じゅりあ at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆ 瓦版の巻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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