2005年05月06日

・5月5日付・読売社説


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5月5日付・読売社説(1)


 [『反日』デモ阻止]「立証された中国当局の“能力”」

 中国革命の出発点とされる反日運動「5・4運動」(1919年)記念日の4日、懸念された大規模な「反日」デモは起きなかった。だが、中国国内でかき立てられた「反日」活動が終息した、と見るのは早計だ。

 中国全土に拡散した4月の「反日」デモは日系企業の施設や日本大使館にも投石などで被害を与えた。今回、徹底した警備態勢でデモを封じたことは、かえって「暴力行為を容認してきた」との国際的な指摘を立証する結果ともなった。

 中国政府が「反日」デモ封じに出た理由は二つある。一つは国際的なイメージダウンや日中関係悪化による経済への打撃を避けたいとの思惑だ。もう一つはデモが拡大、激化すれば社会不安を招き、政権批判につながる、との危機感だ。

 一連のデモの中心となった若者層は徹底した「反日」教育を受けて育った世代だ。中国大衆の反日感情は政府自身が制御に手を焼くほど肥大化しつつある。

 母胎を作ったのは江沢民前政権が導入、強化した愛国「反日」教育だ。それ以前の中国の教科書は「抗日戦争」を扱うにしても、「反日」は主眼でなかった。江政権下では、「南京大虐殺」の項目や「日本の残虐統治」の章を追加した。

 中学教師用の指導要領には、南京事件に関し「日本帝国主義の残虐さを血に満ちた事実で暴露する」「骨髄まで恨みを刻ませる」との記述まであるという。

 江政権は「反日」教育の生涯学習化も進めた。「幼稚園から大学」を中心に社会教育まで対象にした「愛国主義実施要綱」の制定や、200か所を超える「愛国主義教育基地」の建設だ。

 しかも、教科書に記載された中国側の「史実」には、意図的に反日感情を植え付けようとする表現が多い。

 高校教科書にある「田中上奏文」がその一例である。田中義一首相が中国侵略計画を昭和天皇に密奏した文書、と記述しているが、中国側のねつ造だったことは、とっくに立証されている。

 4月下旬の日中首脳会談で、胡錦濤国家主席は、「日中の友好協力」を発展させる方針を示し、「歴史を正しく認識し対処」するよう求めた。だが中国の「反日」教育こそ、日中関係を発展させる阻害要因になっているのは明らかだ。

 町村外相は、4月中旬の訪中時、中国の教科書の実態を調べ、改善を求める考えを伝えた。具体策の一環として「歴史共同研究」を提案した。

 共産党史観しか許されない中国側学者に「研究」の自由はない。だが、少なくとも、日本側が中国側の歴史認識の誤りを指摘し続ける場にはなりうる。

posted by じゅりあ at 01:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ◆ 瓦版の巻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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